先に言っておきますが、これは浅野の雑感であり、あまり賢くない私が有り余るイースター休みの暇を有効活用しようとネットで調べて、一生文系の浅野でも理解出来るくらい分かるくらい噛み砕いて噛み砕いて分かりやすくしているものです。自分なりに納得した結果ではありますが、それが本当に客観的に正しいかは謎、と言う事だけ先に理解しておいてください。一応レファレンスは載せときますけど。
今月9日、長い間沈黙を貫いていたユニットリーダーの”美人過ぎるリケジョ”小保方晴子さんが遂に反撃の記者会見を行いました。
まぁいつもの事ながらメディアの掌返しには疑問、というか怖さしか感じませんわ。
STAP細胞で持ち上げておいて、疑う事などせずポジティブな面ばかり取り上げ、ネガティブな面は無視。疑惑が上がると「やっぱり前からおかしいと思っていたんですよ」とばかりに落とし、叩き始める。卑劣な後出しじゃんけん。
この騒動で思い出すのが佐村河内氏の事件。
佐村河内氏の件はTwitterやTVなどで頻繁にネタにされているのを見る一方、かなり似通っている事から同時にネタにされる…と思いきや小保方さんの方は少し勢いがない。
理由は色々あると思われますが、佐村河内さんの方は『耳が聞こえない』、『やっぱり最近は聞こえる』、『ゴーストライター新垣』、とネタにしやすいキーワードで溢れている一方、小保方さんの話題の中心は”STAP細胞”と言う未知のものだからではないでしょうか。
文系の話しはそれがいくら高度であれ、理系の人間でも多少理解したり、自分の意見を言ったりも出来ますが、理系の高い次元の話しは理系ではないと全く太刀打ち出来ません。それが何であるか、何の話しをしているか想像さえ出来ない事も多いです。
STAP細胞の騒動は全員知っているけど、STAP細胞とは何なのかを完全に理解している人はもちろん、それがどういう感じのものなのかちょっとでも理解している人も案外少ないかと思います。
と、言う訳でSTAP細胞とは一体なんなのかを、理系に一切縁がない事でお馴染みの浅野が自分なりに調べてみようかと思います。
ちなみにこのSTAP細胞の発見者である小保方氏の高校の偏差値は72で、浅野の高校は40です。笑
ミッションインポシブルなように思えますが、不毛な努力ほど燃えるのは不思議なものです(笑)
まずは今回の事件の簡単な流れを見てみましょう。
今年、2014年1月30日に科学誌Natureに小保方晴子ユニットリーダーらの発見したSTAP細胞についての論文が載りました。
ちなみに、英語が理解出来て理系だと言う人はこの投稿は無視して、これを見てください。全部書いてありますので。(笑)
このNatureと言う雑誌は世界で最も権威のある学術雑誌として知られており、Natureに論文が載るというのは全科学者の目標であり夢であるそうです。
そんな科学者の夢を叶えたのが日本人、しかも若干30歳、しかも女子、しかも(理系女子の割に)美人!と言う事でメディアは当然の如く騒ぎ立てます。
しかし翌月(2月)、論文に不自然な画像や記述があるとの指摘が相次ぎ、STAP細胞(とその論文)への信憑性が揺らぎ始めました。調査の結果、20カ所にも及ぶコピペや、使用された画像が2011年の小保方氏自身の博士論文からの使い回しである可能性が高い事などが判明し、共著者の若山照彦山梨大教授が論文撤回の提案をしました。ここからメディアは小保方さんに対して批判的な報道をするようになります。
そして小保方さんの所属研究室である独立行政法人理化学研究所、通称“理研”による数回の小保方氏本人への聞き取りを始めとした調査が始まり、今月(4月1日)、研究不正があったと発表。小保方氏はその撤回を求め不服を申し立て、記者会見を開きました。内容はイギリスにいる俺より皆さんの方がご存知ですね。まぁ俺もダイジェストなど見ましたが、まぁ煮え切らないような感じの記者会見でしたね。理研はここから申し立て内容を審査し、再調査すると決めた場合は開始から50日をめどに結論を出します。つまりだいたい7月くらいには結論が出ている予定です。
どうも臭い。理研と言う組織が怪しい。
共著者と言う超重要ポストが何のお咎めもなしで(実際は厳重注意)「小保方晴子氏一人が悪い」、「責任は彼女一人にある」と。
海外の大学ではコピペはPlagiarism(プレイジャリズム)と言って、退学になります。やっちゃダメだよって最初に厳しく教えられます。俺の行ってるソレント大学はイギリスの大学115位中113位だけど、コピペを見分けるソフトを使っています。
コピペなんてしたらすぐバレて退学にさせられます。なのに早稲田レベルでそんな感じなんかい、と。理研も発表前にそれチェックせんのんかい、と。そして共著者はすごく大切な役割であるにも関わらず、責任取るのは一人なんかい、と。
半沢直樹が「責任の取れない本部審査に何の意味があるんだ」と言っていましたがその通りだと思います。こんな重要なものを充分に審査しなかった理研にも責任があるじゃあないか、と。
俺は今回の件は小保方さん側です。みなさん論文の撤回を勧めてらっしゃいますが、小保方さんは「論文の撤回と言うのは著者が世界にこの現象は完全に間違いですと発表する事になる、わたしはこの結論が正しい以上は撤回するのは正しい行為ではないと考えている」と。なるほど、筋が通ってるじゃあありませんか、と僕は思うのですが。少なくとも、もし撤回して、別の国の科学者が正しい論文を発表してしまったら全部その国(とその科学者)の手柄になってしまいます。日本にとってすごい損失です。
さて、かなり前置きが長くなりましたが、今回は「STAP細胞について調べてみよう」と言う趣旨でございました。危うく忘れるところでした(笑)
STAP細胞は、『刺激惹起性多能性獲得細胞』の英訳の”Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cells”の頭文字をとって、STAP細胞と呼んでいるそうです。(小保方晴子, 2014)
STAP細胞は、動物の体細胞に外的刺激を与えて分化多能性を獲得させた細胞です。分化多能性とは簡単に言うと何にでもなれると言う事です。もう少し具体的に言うと、マウスの体の細胞を、弱酸性の液体で刺激し、万能細胞に変化させる。それがSTAP細胞です(独立行政法人 理化学研究所 神戸研究所 発生・再生科学総合研究センター, 2014)。万能細胞とは、心臓や胃腸など、どんな器官にもなれる細胞です(nippon.com,
2014)。
動物の体の細胞が外的刺激で万能細胞になることはありえないとされていたので、このSTAPは『生命科学の常識を覆す新発見である』と、先述の通り最も権威のある学術雑誌であるNatureに取り上げられました(小宮山亮磨, 2014)。
(実際、このSTAP細胞はあまりに画期的過ぎて、「細胞生物学の歴史を愚弄している」とNatureに論文の掲載を一回拒否されています。(斉藤広子, 2014))
しかし、まぁ先ほども触れましたがここでメディアへの疑問ですよ。日本では発表された1月30日から2月前半まではちょこっと、気持ち程度STAP自体の事をやっていましたが、その後はどの番組もSTAP細胞そのものはあまり積極的に扱おうとはせず、ユニットリーダーである小保方晴子氏の容姿や歳に注目。30歳である事、”理系女子の割に”美人である事、おばあちゃんからもらった割烹着を着ていつも実験をしている事など、サイドストーリーと言いますかヒューマンインタレストの部分が多いんですよ。いや、多いと言うか多過ぎる。この辺りに疑問を抱かざるを得ないと言うか。
Natureが掲載を拒否してその後やっぱり載せるくらいの事なんだから大事ですよ、それは。ニュートンの力学、ガリレオの地動説、アインシュタインの相対性理論、全部最初は否定されてから認められたんです。STAPもそれに並ぶくらいの大事の可能性があるんですよ。研究室にムーミンが置いてあるとかどうでもいいじゃないですか。
また話しが逸れました、どうしてもメディアを批判したがる浅野が出ますね。
話しをSTAP細胞に戻すと、つまり、一口に言うとSTAP細胞と言うのは何にでもなれる細胞なんです。と言う事は例えば胃腸が癌になったとしてもSTAP細胞から胃腸を作って移植しちゃえばいいんです。
他人からの移植だと、身体が拒否反応を起こすことがあるんですが、STAPは元が患者本人の細胞なのでそういったリスクを回避できます。(栗山鈴奈, 2014)
ガンを治すんじゃなくて、ガンになっちゃった器官を捨てて(ちょっと悪い言い方ですが)、新しいものと取り替えちゃおう。みたいな事が出来ます。
不老不死の匂いがしますね。
次は、よく共通点や違いが取り沙汰されるもう一つの万能細胞『iPS細胞』と、どう違うのか、何が似ているのかを見て行きましょう。
まず、iPS細胞は山中伸弥さん率いる京都大学の研究グループが発見し、日本語の人口多能性幹細胞の英語訳”Induced Pluripotent Stem cells”の頭文字を取ったものです(京都大学
iPS細胞研究所 CiRA, 2014)。
最初のiが小文字なのはiPodやiPhoneのように世界的に普及して欲しいとの願いが込められています(モンブラン, 2014)。
iPS細胞は人間の皮膚などの体細胞にごく少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する多能性幹細胞になります。これがiPS細胞です。(京都大学 iPS細胞研究所 CiRA, 2014)
簡単に言えば、iPSは、人体から取り出した細胞に4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)を組み込む事で万能細胞を作ります。((財)東京都医科学研究機構 東京精神医科学総合研究所, 2009)
iPSは細胞に遺伝子を導入して万能細胞に、STAPは刺激を与えて万能細胞になると言った違いがあるんですね。
iPSが遺伝子操作な反面、STAP細胞は弱酸性の液体に浸すだけ。超簡単。
iPSが出来るまで2〜3週間必要な反面(高橋和利、山中伸弥, 2006)、STAPは1週間かからず(最短2日)に出来ますし、作成効率もiPS細胞が出来る確率は0.1〜0.2%のところ、STAP細胞は7〜9%だと言う事です(日本経済新聞, 2014)。
STAPとiPSの違いの図
そしてiPS細胞最大の懸念は発癌率の高さです。iPSを生み出すときに使う遺伝子の一つであるc-Mycが発ガンに関連する遺伝子だったため、iPSは発ガン率の高さと言う問題を抱えていました。
しかし、それも全ては過去の話し。
初めてiPS細胞が出来た当初、2006年は効率の悪さ、発ガン率の高さなどが実際にありましたが、研究を重ね、c-Mycを別の因子に置き換えるなどの変更をし、今では大幅にそのリスクは下がっており、誘導効率も0.1%から20%に上がっており、これは既にSTAPを上回っています(京都大学 iPS細胞研究所
CiRA, 2014)。ここをメディアがあまり報じてくれないと山中教授は心を痛めているようです(楊井人文, 2014)。
つまり、現時点ではiPSもSTAPも大差ないと言って差し違えないでしょう。というか、STAPは存在自体が怪しまれている以上、iPSの方が上か。
まぁこの比較で忘れてはいけないのはiPSは2006年から8年もの研究を経ていると言う事。STAPは発見されたばかりで、まだまだ改善出来るはずです。
ここで少し問題点についても触れたいと思います。先ほどこのSTAPとiPSは万能細胞だから何にでもなれると書きました。本当に何にでもなれるんですよ。
究極的には、男性から卵子を作ったり、女性から精子を作ったり出来るんです。ゲイのカップルが紛れも無い自分たちの子供が産める未来が来るんです。(可能性ですが)
でもやっぱりそれは人間的にどうなのよ、と言う批判があります。もっと言えば、一人の人から精子と卵子を作って人間を作る事も出来ます。これが特に倫理的な面から批判されています。ゲイカップルの子供は個人の問題ですからそれはいいとして、後者はクローン羊ドリーのときのように終わらない議論になるのは必須だと思います。この辺りをどうするかが今後の課題になりそうですね。
これは完全に何の根拠もない話しなんですけど、病気が何でも治るようになったら医者とか薬屋が困るから潰されただとか、iPS側の人間による工作だとか、アメリカ、ロシア、中国、その辺りの国のものにするためのいちゃもんだとか、怪しい説は色々あります。
そもそも今回の騒動の疑問はたった一つ『STAPはあるのか、ないのか。』そういうシンプルなもののはずなんです。コピペとか、盗用とか、まぁ確かに論文の書き方に問題はあったかもしれません。けど、STAPが本当にあるとしたらそんなものはどうでもいいくらいのものなはず。それくらいすごい発見。日本にとっての希望です。
STAP、iPS、お互いに長所がある。お互いが協力し合えば素晴らしいものが作れるはずなんです。
その辺りの事も含めて、小保方さんにはとてつもないプレッシャーがかかっています。俺は何も出来ないけど、是非、この世紀の発見者として後々の歴史でも小保方さんが語り継がれるように、応援してます。
「論文の書き方は悪かったけど、結論は合っている。STAPはある。」小保方さんの言葉、俺は信じてみようかと思います。
[今回のまとめ]
- STAP細胞とは、細胞に刺激を与えて作った万能細胞で、万能細胞とは脳、骨、胃腸、何にでもなる事が出来る細胞。
- 万能細胞を刺激を与えて作ると言うのは紛れも無い歴史的大発見である。
- STAPとIPSは人口の万能細胞と言うのは同じだが出来るプロセスが違う。
STAP: 外的刺激
iPS: 遺伝子導入
- STAPとiPSは作製期間、作製効率などの差は、2014年現在はほぼない。
- STAPとiPSは共通点が多々あるのでお互いの研究を相乗効果的に高めていけると思われる。
- 問題になっているのは論文に使われた画像が引用元などを明記しないコピペだったこと。
理研:途中が出鱈目なのだから結論も間違っている。
小保方:途中の画像は手違い。結論に何ら問題はない。
とりあえず、この記事はほんの参考程度にして、気になったら自分でも調べてみてください。
Cheers!
Dice
[References]
1.
小保方晴子, (2014)
Stimlus-triggered fate conversion of somatic cells into
pluripotency[online][viewed 9 April 2014] Available from: http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/pdf/nature12968.pdf
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3. 京都大学 iPS細胞研究所 CiRA, (2014) iPS細胞とSTAP幹細胞に関する考察[online][viewed 11 April 2014] Available from: http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/other/140212-194926.html
4. 栗山鈴奈,(2014) 小保方さんの万能細胞・STAP細胞って、結局どういうもの?[online][viewed 11 April 2014] Available from: http://mr.ten-navi.com/topics/%E5%B0%8F%E4%BF%9D%E6%96%B9%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E4%B8%87%E8%83%BD%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%83%BBstap%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%80%81%E7%B5%90%E5%B1%80%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%84/
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6. 斎藤広子, (2014) STAP細胞:小保方氏、08年から研究開始 過去の経歴[online][viewed 9 April 2014] Available from: http://mainichi.jp/select/news/20140409k0000e040172000c.html
7. 高橋数利、山中伸弥(2006),
Induction of pluripotent stem cells from
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(財)東京都医科学研究機構
東京精神医科学総合研究所, (2009) 人口多能性幹細胞(iPS細胞)とは何だろうか[online][viewed 10 April 2009]
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11. モンブラン, (2014) 山中教授の「iPS細胞」ってiPod のパクリ!?流行らせたいと頭小文字[online][viewed 10 April 2014] Available from: http://www.j-cast.com/tv/2012/10/09149311.html?p=all
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楊井人文, (2014)
STAP細胞とiPS細胞の比較報道は誤り 山中教授「影響非常に大きい」[online][viewed 11 April 2014] Available from: http://bylines.news.yahoo.co.jp/yanaihitofumi/20140216-00032704/
13. Logmi, (2014) 【質疑応答・全54問】小保方さんSTAP細胞記者会見全文 「ねつ造と言われた気持ち」「ぶりっ子報道について」ほか[online][viewed 9 April 2014] Available from: http://logmi.jp/10299
14.
Nippon.com, (2014) 新万能細胞の作成に成功—新時代を切り開く大発見[online][viewed 10 April 2014]
Available from: http://www.nippon.com/ja/genre/sci-tech/l00057/
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